きたくち

はい。

年報(2022)

はろーはろー。

今年は takuti.me では英語の記事ばかり書いていたので、日本語でブログを書くのは『1年4ヶ月ぶりに日本に来たら、カナダに帰れなくなって、おまけにコロナ陽性になった。 | Takuya Kitazawa』以来2本目である。年のはじめから友人と週報仲間を実践していて、さらに複数のグループでは毎月コンスタントにリモートで話す会を開催していたので、それで『日本語で語りたい欲』がだいたい満たされてしまった、というのが大きい。

日本語といえば、最近の個人的なチャレンジとして、日本の言語・文化に内在された『冗長性』と『受動性』にいかに向き合うか、という話がある。それは時に美しく、時に煩わしい。偶然と必然が重なって、カナダ・バンクーバーに住みながら日本人と絡む機会も増えた今年。いかに自分の中の日本人的な部分をシャープにしてゆくかは、重要な課題である。

さて、2022年のハイライトはというと、

  • カナダ永住権を取って、仕事 (Software Dev Engineer - Personalization @ Amazon)を辞めて、フリーランスになった
  • 1年4ヶ月ぶりに日本に帰った
  • 完全リモート環境での一週間カヤックの旅が素晴らしかった
  • フルマラソン、サブ4を達成した

といったところ。以下、月ごとに思ひでを振り返りながら、感謝の気持ちを高めてゆく。

【1月】澄んだ空気のなか、友人と近況報告会をしたり、隔週で内陸部まで遠出をして雪山ハイクをエンジョイしたり。

雪も少なく、過ごしやすいシーズンだった。綺麗なものほど汚く見えるという現象があり、都市の負の部分を強く実感する時期でもある。

【2月】引き続き残雪ハイクを楽しみつつ、カナダ赤十字のアウトドア救命救急講習を受ける。血糊なんかも使ったロールプレイ形式の講習で、とても実践的だった。

30分もバスに乗れば、好きなだけ雪の上を歩くことができる。

【3月】新しいトレイルとブリュワリーを求めて、フェリーで近くの島にいく。オフシーズンで静かなSunshine Coastは、時間の流れもゆっくりに感じた。

離島でハイキング。未だに海を見ると無条件でテンションが上がる、元・海無し県民。

【4月】仕事が忙しくなってきたので、整えるためにワインで有名な Okanagan Valleyに旅行。沿岸部とは全く違う植生のトレイルと贅沢な湖岸からの眺めに魅せられる。

まだまだ肌寒いオフシーズンの湖岸は、頭を空っぽにするにはもってこいのロケーションだった。

【5月】それでも仕事は消えない。オンライン診断で「ほぼ鬱です」と言われて限界感があったので、助けを求めて"I need human…" と言いながらアメリカへ飛んで友達めぐりをする。

シアトル→サンフランシスコ→オースティンと飛んでみんなに会っていくなかで、徐々に元気を取り戻す。

【6月】吹っ切れたような、そうじゃないような心境のまま、カナディアンロッキー麓の町・バンフを訪れて軽ハイキング、ハーフマラソン、博物館巡りをする。

標高1400メートルの町を走るハーフマラソンは、バンクーバーの海沿いでのトレーニングに慣れきった身体にはタフだった。

【7月】1年4ヶ月ぶりに日本に帰ってきて、富士山を含む百名山三座に登ったり、みんなとの久しぶりの再会に感謝したり、コロナになったりした。

良くも悪くも、この登山体験は確かに唯一無二(そして一度登ればもう十分)だなあと思った富士登山

【8月】バンクーバー地元民5人と行く、電気ガス水道ネット無し1週間カヤックでアイランドホッピングの旅。全てが異次元の体験で、真の『贅沢』とはこの事を言うのだなあと思う。正直なんもかんもどーでもよくなる。

カヤック初心者のわたし(撮影・友人L)

【9月】永住権も取れたことだし、当初の予定通り在籍一年でAmazonを退社してフリーランスになる。7月に話をもらっていた日本の案件に携わりつつ、1日の長さにビビりながらこころの栄養バランスを整える日々。

平日にカーシェアでサクッと山に登れる、北米からJSTで働くフリーランスの特権。初秋のMt. Seymour は雨飾山を思い出させる絶品コース。

【10月】5月のバンクーバーラソンに次ぐ2022年2度目のフルマラソン (Royal Victoria Marathon)で念願のサブ4を達成。

弟「1位でゴールしたみたいな顔してやがる」

【11月】友人グループと月次読書会を始めたこともあり、本を読む時間が増える。ここで偶然にも10年ぶりに複雑系科学の分野に再会し、Connecting the dotsみに震える。ずーーーっと考えているインターネットの怖さについて、やっと実体が見えてきた気がする。

雨が少なく毎日よく晴れたので、いっぱい歩いた。今年のバンクーバーの秋はひと味違ったぜ…。

【12月】北米のホリデー感と日本企業の師走感の間であたふたしながらも、なんとか走り切る。

雪山登り納め。1年前がウソのような降雪と寒さで、さすがに地球の健康が心配。

ウム、よい1年であった。

今年はとにかく、人・自然・知識・技術との『つながり』に救われた。どのような形であれ、関わったすべての皆さんに精一杯の感謝を。そして、複雑な歴史の上のある一点において、海から山まで雄大な自然を当たり前のように享受できているというのは、"We are lucky" の一言に尽きるわけで。それがいかに恵まれていることかを、僕たちは忘れてはならないのだと思います。

他方、久しぶりにA子さんの恋人を読み返しながら、「身軽でいたい」というエクスキューズによって失ったもの、あるいは傷つけてしまった可能性のあるものの存在にも思いを馳せるわけです。

そんなわけで、来年は物事・関係の『深さ』と向き合いたい、というのが30歳まであと2ヶ月の今の気持ちです。

たくち

この記事は空の上よりお届けしました。みなさんよいお年を。